「火を吹く言葉」★

 聖霊が降って教会が活動を始めた。主イエス・キリストが復活されてから50日後、天に昇られてから10日後のこと、弟子たちとイエスの母・兄弟が集まっていると突然大音響と炎のような舌という不思議な現象が起こり、彼らは聖霊が語ることを与えられて「ほかの国々の言葉で話しだした。」彼らが話したのは「異言」(意味不明な音声)とも考えられるが、ここで最も重要なのは使徒言行録2章14節から36節に記されたペトロの説教である。その中心は、十字架につけられたイエスを神は復活させ、救主としてお立てになった、ということである。ペトロの説教は弟子たちの説教の代表例、2章の42節までの記述は諸国・諸地方への初期の福音宣教を1日の出来事に圧縮したものと考えることができる。弟子たちは福音書の彼らとは別人のように確認をもって堂々と語り、それに心打たれ受け入れて洗礼を受ける人々も生じた。

 聖霊降臨日を私たちは使徒の働きをおぼえながらも、使徒たちの活動の記念日としてではなく、聖霊の活動の記念日として祝う。聖霊は神ご自身である。私たち一人一人に対し、また教会全体に働きたもうあり方を聖霊なる神と名づけて、天地の創造者・支配者としての父なる神、イエス・キリストとして人になられた歴史的な存在としての子なる神と区別している。しかし、神は三つのあり方、働き方をしながら唯一の神でありたもう。

 聖霊降臨は聖霊による言葉の出来事。炎の言葉、火を吹く言葉が教会と一人一人に与えられたのである。(牧師 柏井創)