「黒田官兵衛ー"ドン・シメオン"」(説教"こぼれ話")

 
戦国時代、「ドン・シメオン」という洗礼名を与えられたキリシタン大名が黒田官兵衛であった。官兵衛は軍事、外交などの分野で有能であったことから、豊臣秀吉の参謀に抜擢される。

「ドン」とは男性に対する敬称。例えば、よく知られている名の「ドン・キホーテ」があるが、同じである。

官兵衛の洗礼名から敬称をとると「シメオン」となる。これはヘブライ語で、ギリシャ語で言えば「シモン」となる。「シモン」とはガリラヤ湖のベテラン漁師であり、イエスに招かれ、イエスに従った人の名である。

 彼はイエスの伝道の参謀格となり、「ペトロ」(「岩」の意)という添え名を与えられる。

このペトロがイエスの伝道に欠かせない働きをした弟子であったように、官兵衛も戦国乱世の時代、有能な人物であったことから、「シメオン」という洗礼名をあえて与えられたのではないだろうか。

いつの時代もリーダーはいるが、それに仕える参謀はいる。総理大臣にとっては官房長官かもしれない。忠臣蔵の大石内蔵助もその一人であろう。さて、教会の場合は誰になるのだろうか・・・。