「主のために聖別される」★
イエスがエルサレム神殿において「ダビデの王座」を継ぐ「神の子」として、二人の預言者から祝福を受け、メシア活動をスタートさせる話。
天使ガブリエルの予告通り、マリアはイエスを出産し、「その子を主に献げるため」にヨセフと共にエルサレム神殿にやってくる。それはモーセの律法に定められた規定に従い、出産によるマリアの汚れを清め、イエスを「聖別する」ためであった。
しかし、そもそも「神の子」として誕生したイエスは「聖別」する必要がないにもかかわらず、あえて「聖別」された。それはイエスが清められることにより、罪人と同じ立場になり、罪人をその罪から救い出すという使命を担う方であることを明らかにするためであった。
この時、二人の預言者が祝福を与えることで、イエスの使命の内容がさらに明らかにされる。
最初の人シメオンとは神の戒めである律法を落ち度なく行い、神を畏れるという「正しい人で信仰あつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み」「聖霊」を宿す預言者であった。また、「主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない。」希望の人であった。
このシメオンが「霊」に導かれて神の臨在の場である神殿の境内に入って来ると、「幼子イエス」との出会いが神により準備されていた。「イスラエルの慰められるのを待ち望んでいた」シメオンであったが、「イスラエルのため」だけでなく「イスラエルの慰め」を越えて「万民のため」の救いを実現される方が誕生したと宣言する。
これに驚く両親に対し、イエスとはイスラエルの多くの人を「倒される方」「反対を受けるしるし」とまで語り、神の子であるイエスの十字架の前につまづき倒れることが明らかにされる。
このシメオンの言葉に続き、預言者アンナが「近づいて来て、神を讃美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々に幼子のことを話した。」
この二人の言葉により、イエスはエルサレム神殿で神の子として公けになったのである。それは神の救いの意志が明らかにされることであった。
この神の救いの下に私たち一人一人が置かれていることを感謝と喜びをもって受け止めたい。