「目には目を、歯には歯を」
教会バザーのポスターが歯医者さんの玄関にも貼られた。
ご近所の「M歯科クリニック」。
「歯」と言うと、「目には目、歯には歯を」が聖書の言葉を思う。
わたしが卒業した大学の先輩の牧師が本の中である教会の話を紹介している。
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教会にセールスマンがやってきて玄関先で牧師さんと立ち話でもりあがった。
話題が中東問題になったとき、青年はこう言った。
セールスマン 「聖書のことはわかりませんが、
やはり"目には目を、歯には歯"の世界だから
なかかな かスンナリと穏やかにはおさまらないでしょうね。」
牧 師 「そうですね。一面からいえばおっしゃることが当たっていますが、
ただ少なくとも聖書のそのことばは、お考えになっている意味とは
正反対なのですよ。」
青年は驚いて説明を求めた
牧 師 「全文はこうです『"目には目で、歯には歯"と言われたのを、あなたがた
は聞いています。しかし、わたしはあなたに言います。悪い者に
手向かってはいけません』(マタイ福音書5:38)
つまり、ここでキリストが強調しているのは"復讐"するなという教えなの
です。」
セールスマンの目はますます丸くなった。
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「聖書おもしろ事典」千代崎秀雄著 有斐閣新書 2頁より
M歯科クリニックの先生には、まだ、この話を紹介していないが、
いつか話してみたいと思う。先生もこのセールスマンと同じように考えている
かもしれない。