― オアシス ― 2018.1.21

最近は、見栄を張って大げさに表現することを「話を盛る」と言うそうですが、私たち夫婦では、「あぁ!また七十人訳やってる」と言うことがあります。

『七十人訳聖書』とは、紀元前3世紀から1世紀頃、72人の長老がヘブライ語聖書をギリシア語に訳した聖書です。

この『七十人訳聖書』。例えば創世記5章、祭司文書お得意の数字を面白いくらい誇張しているのですが、"バビロンやエジプトの民族よりも自分たちユダヤ民族の方が由緒あるものだ"と主張したい、という背景で嵩上げ誇張がなされたと言われております。

ところで、私たちが今使っている『新共同訳聖書』。

旧約の底本は「ビブリアヘブライカ」ですが、紀元11世紀のものです。
ということは、2千年以上前にヘブライ語からギリシア語に訳された『七十人訳聖書』の方が、もしかしたら信憑性があるのかな、なんて思ったりもします。
福音書記者もパウロも、聖書といえば「七十人訳聖書」であったでしょうし。(岡田いわお)