「夜通し祈る」★

イエスのミッションを中心的に担う人材を選ぶに際し、神のみこころを尋ねるため、イエスが夜通し祈り、その後、多くの弟子たちの中から12人を選び、「使徒」とされる話。
聖書において山は「祈りの場」であり、神のみこころが示される場である。モーセも「神のもと」なる山に 登り、そこで主から言葉を与えられた。イエスも「祈るために」山に行かれる。目的は神の使命を中心になって担う「使徒」を多くの弟子たちの中から選ぶに際し、神のみこころを尋ねるためであった。
 イエスは「夜通し」の祈りを終え、朝になり弟子たちを集め、その中から12人を選ばれた。
「12」とはイスラエルの12部族からの数字である。この部族を選ぶに際して神は「あなたは~主の聖なる民~ご自分の宝の民」と言われた。それは「主が心を惹かれてあなたたちを選ばれたのは、あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちはどの民よりも貧弱であった。」と言われた。数が多く、優秀であったから選ばれたのではないと明言された。
イエスによる選びも同様であった。しかし、選ばれた弟子たちを「使徒」と名づけられたのである。
この「使徒」とは「派遣されたもの」という意味であり、パウロは「復活した主イエスの証人」であること、主イエスに使徒として召された人であることと定義している。つまり、主イエスとの直接的なつながりのある弟子であること。それが「使徒」であった。その中に「裏切り者となったユダ」がいる。
「裏切り者」を出してしまった12名の使徒もまた貧しく弱々しい群れであった。選ばれたメンバーは最強のチームではなかったが、復活の証人として生き続けたのである。