「神様のP-D-C-A」
P-D-C-Aとは、広い意味で計画とほぼ同義語である。計画はその過程でいくつかの重要な実施要素に分類できる。その要素がplan計画-do実施-check点検・評価-action処置・改善、それら四つの頭文字を順に並べたものがP-D-C-Aで、営利、非営利を問わず組織の活動には欠かせられない。今日の実業社会に浸透している経営管理用語である。
少し不遜かもしれなかが、半生を企業活動に費やしてきたキリスト者の私の観点でみれば、聖書は「神様の遠大な事業計画書」であり、現在・過去・未来の時間軸を超えた神様の途切れない救済計画の集大成とも言える。
聖書を読む、学ぶ、考えることによって、今を起点に過去と未来に自分や教会や社会をつなぎ・投影し・シミュレーションすることもできる。また、更に発展して、古い自分を捨て、新しい自分に向かって歩みだすきっかけを、聖書の中に求めることもできる。
今回学んだルカ福音書の5章のみ言葉を通して、あらためて神様のご計画、御子イエス
キリストの計画、またそれらの尊い計画を地上に継承する役割と責任を担っている教会の計画、更には当事者である私たちの人生の計画・歩みはどのような関係になっているのかを、ルカ5章の中のみ言葉から学ぶことができた。
当教会のバイブルクラスで用いている英語聖書、The Voice5章の文中コメンタリーにこう記されていたので、是非ご紹介したい。
The
miracles Jesus performs come in all types: He heals the sick. He frees the
oppressed. He shows His power over nature. He will even raise the dead. But as
the story shows, one of the greatest miracles of all is forgiveness.:イエスが実行する奇跡はあらゆるタイプがある。イエスは病気を癒す。イエスは圧迫から解放する。イエスは超自然の力を示す。イエスは死者さえも蘇らせる。しかし、この物語で見せたすべて奇跡の中で、最も偉大な奇跡は赦しである。
The
Voiceが説く最も偉大な奇跡は、ペテロの召命、歩き出す中風から癒された男の神の賛美、人々から憎まれてきた徴税人の喜びの宴、これらイエスの赦しに対して呼応し、新たにされた人の行動の明確な変容を導き出す。
文字媒体であるはずの聖書を読んでいても、とても視覚的な描写に目を奪われるが、その本質は目には見えないイエスの赦しの力によるものである。赦しこそがイエス
キリストの、そして神様のご計画・P-D-C-Aのけしてぶれることのない、そして尽きることない推進力であることがわかる。
神様は天地創造の前からわたしたちを愛し、私たちを聖なる者、汚れのない者にしようとされたとも聖書には記されている。短期でも、中期でも、長期でもない、永遠のご計画に、イエスを招く人として用いて、私たちにご計画への参画の機会、そしてその招待状を届けてくださった神様に感謝したい。
記:牧野利彦