「復活の勝利」★
天に召された兄弟姉妹を覚える礼拝の目的は見えない財産とも言える信仰の継承とイエスの復活を証することの二つである。
「信仰の継承」のひとつはそれぞれの信仰生活における証をエピソードとして覚え、語り続けること。「イエスの復活」の証にはその物語の学びが大切である。
4つの福音書すべてにはイエスの復活の証人とされた女性たちの物語が記されている。
マタイ福音書によれば、十字架執行の翌日の土曜日、ユダヤの指導者たちは、ローマ総督ピラトに、イエスがかつて「三日後に復活する」と言われたので、遺体が納められてある墓の見張りをするように依頼する。しかし、ピラトはそれを断り、ユダヤの最高法院で見張れと言った。そこで祭司長たちは、墓の入り口を大きな石で封印し、番兵を置いた。
さて、「安息日が終わって、週の初めの日の明け方」マグダラのマリアともう一人のマリアが墓を見に行った。すると、彼女たちを待っていたかのように、神は大きな地震が起こされ、イエスの遺体が納められてある墓の入り口を封印していた「大きな石」を転がし、天使をその上に座らせた。
天使は彼女たちに恐れることはないと安心を与えつつ、「遺体のおいてあった場所を見なさい」と
確認させ、「かねて言われた通り復活されたのだ」と語る。その上で、十字架のイエスは復活され、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる、そこで会えると告げた。
マリアたちは「恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行った。」「復活の勝利」の証人として走り出した彼女たちを復活の主ご自身が待ち受け、「おはよう」と新しい時代の始まりの宣言とも言える言葉を与えた。その上で復活の主は天使が告げた使命を、マリアたちに確認させるように、「兄弟たちにガリラヤにゆくように言いなさい。そこでわたしと会える。」と言われた。
ガリラヤ、そこはかつてのイエスのミッションの出発の地。復活の主はそのガリラヤから、新しい時代を始められる。この始まりを可能とする、それがイエスの復活の出来事なのである。
私たちは「召天者記念礼拝」を捧げていることで召された兄弟姉妹の信仰の継承とイエスの復活の証人とされているのである。