「世から選び出されて」

聖書-ヨハネ福音書15:18-27
イエスの「言」を認めない「世」(暗闇)はイエス(光)、弟子(教会)を憎む。
それは弟子にとっては「世に属せず、「世から選び出された」ことであると語る「お別れ説教」。
 
「世の罪を取り除く神の小羊」を使命とする働きによりイエスは世から憎まれ(迫害)、十字架につけられる。「世の罪」は「イエスをメシアであると公に言い表す者がいれば、会堂から追放すると決めていた」
ユダヤ当局により犯されていた。弟子たちがこのような暗闇の社会を生きなくてはならなかった。
それは『理由もなく、わたしを憎んだ』との律法に書いてある言葉の実現であった。教会に対する迫害には律法に照らし、理由ない。
 
弟子は暗闇の世を「世に属せず」、イエスにより「選び出され」、「父のもとから出る真理の霊の証」を使命として生きる。
 
こうした迫害時代、この証の使命を担った者が「護教家」である。キリスト教の真理を非キリスト者に納得させるには至らなかったが、彼らは間違った情報(聖餐に関し、「幼児の肉を食べる」との噂など)を論駁していった。
 
2世紀のキリスト者の生活を記した著者不詳の文書「ディオグネートスの手紙」にこう記されている。「彼らはすべての人を愛しているが、すべての人は彼らを迫害している。」
 
私たちは、どのような厳しい状況にあっても「世から選び出されて」ある者として、「すべての人を愛している」証に生きる者でありたい!
(牧師・矢吹一夫)