「主の御声に聞き従うこと」

聖書-サムエル記上15:10-31

イスラエル初代の王サウルが「主の御声に聞き従わず」、王位から退けられる話。
 
「主の民イスラエルの王」とされたサウルは宗教指導者サムエルより「御言葉」が与えられる。
内容はイスラエルがエジプトから上る道で妨害行為を行ったアマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせということであった。ところがサウルは「アマレクの王アガク」を生け捕りにし、「羊と牛の最上のもの」などを「惜しんで」滅ぼし尽くさなかった。この命令違反が神により「彼はわたしに背を向け、わたしの命令を果たさない。」とサムエルに伝えられ、「頭に油を注ぎ」イスラエルの王とされたサウルが、神の命令に背いたことに「深く心を痛め」る。サウルはさらに「自分のために戦勝碑」を建てたりもする。
 
サムエルはサウルに「何故あなたは、主の御声に聞き従わず、戦利品を得ようととびかかり、主の目に悪とされることを行ったのか。」と問う。サウルは「主の御声に聞き従いました。」と答えると共に「戦利品」は「主への供え物」として「兵士」が取り分けただけですと弁解する。しかし、サムエルはサウル王の廃位宣言をする。ここに到って初めてサウルは「罪を犯しました。」と告白するが、もはや遅く、廃位は撤回されない。サウルは王になった後、神よりも、自らの栄華を最優先する体質となってゆくが、それに気づけなかったのである。
 
イエスは弟子たちに「異邦人の間では~偉い人たちが権力を振るっている。~あなたがたの中で偉くなりたい者は皆に仕えるものになり~」と語る。わたしたちはサウルの物語を通して、「偉くなる」ことではなく、神に「仕える」ことを学びたい。